向日葵は彩る君に恋をした

そのあと、みんなで人生ゲームを楽しんだ。一位は亀井さんで、大富豪。私は二位で、まあぼちぼち。伊織くんと黒井さんが二回戦を始めている間、私は亀井さんに紅茶を差し出した。

「ありがとうございます」

亀井さんは受け取り、私はその隣にそっと腰掛ける。

「葵さん、本当にありがとう」

「いえ、私はなにも」

「……あんなふうに花をいける坊ちゃんを、私は初めて見ました。
坊ちゃんのことは昔から見てきて、何が足りないかも、
旦那様が心配する意味も、ずっとわかっていました」

やっぱり──この人はずっと見てきてわかっていたんだ。

「そうだったんですね」

「坊ちゃんは器用ですし、花をいけるセンスも技術もある。
だけど、そこに“心”がなかった。
それは、プロとしてこの先進むなら……致命的なんです」

「そうですね」

技術やセンスだけじゃない。プロの世界は厳しい。その言葉が胸に静かに落ちる。