向日葵は彩る君に恋をした

スッと頭を下げてから、伊織くんはピンクのカーネーションを手に取った。亀井さんのためにいける花。丁寧に花を扱い、一本一本の向きを確かめながら、静かに、慎重に、バランスを見ていけていく。
やっぱり……綺麗だ。花が生きているみたいに見える。完成した作品を前に、伊織くんがゆっくり口を開いた。

「亀井さん、いつもありがとうございます。
家を出てから、気遣ってもらってたことにようやく気づきました。俺には、やはり生花しかないから。
これを貴女に贈ります」

カーネーションの生花をそっと差し出しながら発したその言葉に、亀井さんはそっと目元を押さえた。

「ほんとに立派になりましたね……。
これなら私も安心です」

その声は震えていて、でもどこか誇らしげだった。