「じいちゃん、調子どう?」
「おお、葵か。大丈夫だ」
「こっちまで手が回らなくてごめんね」
「いいんだよ。そういう割に毎週見に来てるだろ。
葵がやり過ぎたら、じぃちゃんのやることがなくなる」
じいちゃんはいつもの調子で笑う。
「こんにちは」
「ああ、伊織くん。いらっしゃい。
葵と仲良くしてるみたいだな」
「はい、仲良くさせてもらってます」
ぴしっと姿勢を正す伊織くん。人前だと礼儀正しいの、本当にすごい。
「そうだ、ちょうどよかった。これ亀井さんに渡してくれるか」
渡されたのは、綺麗なダリアの花束。
「どうして?」
「今日が誕生日だろ? 亀井さんの」
「え?そうなの? 伊織くん!?」
「……そうだ」
「忘れてたの? あんなにお世話になってるのに……ひどっ」
じいちゃんが吹き出す。伊織くんは、ちょっと肩をすくめて視線をそらした。



