向日葵は彩る君に恋をした

「さて、もういつでも帰ってきなさい」

真斗さんがそう言うと、伊織くんはきっぱりと答えた。

「やだ」

「え?」

真斗さんが目を丸くする。そのタイミングで、きれいな和装の女性がすっと近づいてきた。

「伊織。素晴らしかったわ」

「母上」

え、めちゃくちゃ美人……そして若い。何この美形家族。居心地悪い。

「あら、貴女が葵さんね。
伊織がお世話になってます。私は伊織の母、九条 桜子です。
ふふ、可愛いわね」

「あ、ありがとうございます」

慌てて頭を下げる。真斗さんが桜子さんに向かって言う。

「お母さん、伊織が家に帰らないって」

すると桜子さんは、ため息まじりに肩をすくめた。

「それはそうでしょう。勝手に追い出したんだから。
花屋まで手を回して、そんなの当然よ」

その言葉に、真斗さんはしょんぼりと肩を落とした。

「えー……」

落ち込む姿が、なんだか可愛い。