向日葵は彩る君に恋をした

「伊織くん!おめでとう! すごいね。本当に」

そう言うと、

「ありがとう。全部葵のおかげ」

まっすぐな声でそう言われて、胸が熱くなる。

「あの作品はどうなるの?」

思わず疑問を口にすると、

「どっかで数日飾られるらしい」

「そうなんだ」

すると──

「伊織」

「父上」

伊織くんの父、真斗さんがゆっくりと近づいてきた。

「素晴らしい作品だった。
足りないものに気づいたんだな」

「まあ、はい」

「足りないもの?」

思わず聞き返すと、真斗さんは静かに言った。

「ああ。伊織は技術はあるが、一つだけ致命的に足りないところがあってな。
口で言ってどうにかなるものでもない。
自分で気づかなければならなかった。
心の問題だからな」

「こ、心ですか……」

伊織くんは照れたように、そっぽを向いた。その横顔が、なんだか少し可愛い。真斗さんは私の方へ視線を向ける。

「ありがとう。君のおかげだな」

「いえ、私は別に」

「向日葵は君が用意したのだろう。
素晴らしい処理の仕方だった」

「あ、ありがとうございます」

褒められて、胸の奥がじんわり温かくなる。