花しかいけてこなかった。だから料理なんてしたことないし、片付けも掃除もやったことがない。
だけど葵と一緒にやっていくうちに、普段俺の周りを親や亀井さんがこんなふうに支えてくれていたんだと気づいて、胸の奥に少し思うところがあった。
葵といると、力が抜けて居心地がよかった。夜更かししてやったジグソーパズルも楽しかった。今まで無駄だと思っていたことが、一緒に過ごす人によってこんなにも尊い時間になるなんて思わなかった。
展覧会で父の作品を見た。やっぱりすごい。俺の前を行く人。
圧倒的な実力。負けたくない。やっぱり認められたい。そう思った。
帰り道、夏祭りのポスターが目に入った。行きたいのか?と口から出たことに驚いた。クラスの連中から誘われて断ったけれど、葵となら行ってもいいと思った。だから一緒に行くことにした。
恋人とかあほらしいと思っていた。誰が好きで嫌いかなんて心底どうでもよかった。言い寄ってくるやつはいっぱいいて、面倒だったから。
だけど――葵が浴衣を着て、他の男と話しているのは心底むかついた。俺と行きたいんじゃなかったのかよ。置いていくってなんだよ。
花火の音に紛れて聞こえた。『好き』という言葉。
聞こえないふりをした。本人が誤魔化したげだったから。
……っていうのは、言い訳か。
葵が寝た後、花をいけた。自分と向き合うために。そしてわかった。俺に足りないものがあるならば――もう答えは出てる。
俺は……
だけど葵と一緒にやっていくうちに、普段俺の周りを親や亀井さんがこんなふうに支えてくれていたんだと気づいて、胸の奥に少し思うところがあった。
葵といると、力が抜けて居心地がよかった。夜更かししてやったジグソーパズルも楽しかった。今まで無駄だと思っていたことが、一緒に過ごす人によってこんなにも尊い時間になるなんて思わなかった。
展覧会で父の作品を見た。やっぱりすごい。俺の前を行く人。
圧倒的な実力。負けたくない。やっぱり認められたい。そう思った。
帰り道、夏祭りのポスターが目に入った。行きたいのか?と口から出たことに驚いた。クラスの連中から誘われて断ったけれど、葵となら行ってもいいと思った。だから一緒に行くことにした。
恋人とかあほらしいと思っていた。誰が好きで嫌いかなんて心底どうでもよかった。言い寄ってくるやつはいっぱいいて、面倒だったから。
だけど――葵が浴衣を着て、他の男と話しているのは心底むかついた。俺と行きたいんじゃなかったのかよ。置いていくってなんだよ。
花火の音に紛れて聞こえた。『好き』という言葉。
聞こえないふりをした。本人が誤魔化したげだったから。
……っていうのは、言い訳か。
葵が寝た後、花をいけた。自分と向き合うために。そしてわかった。俺に足りないものがあるならば――もう答えは出てる。
俺は……



