向日葵は彩る君に恋をした

好きなっちゃダメだったのに…。お面越しに涙が滲むが、これでは前見えない。転ぶのはごめんだ。だから外して小走りしていると――

「あれ、日向じゃん!」

振り返ると、爽やかに笑う短髪の男の子。

「山田」

同じクラスの子だ。部活仲間も後ろにいて、みんな楽しそうに笑っている。

「どしたの? 一人?」

「いやぁ、そろそろ帰ろうかと」

曖昧に笑ってごまかすと、

「なら俺と回ろうぜ」

と、まっすぐ言われる。

「いやお前なんでだよ!」

「抜けがけー?」

部活の仲間が茶化すように笑う。

「いやあ……」

どう返せばいいかわからない。
でも――

「ってか、浴衣いいな!
めっちゃ似合ってる!俺と回る!?」

真正面から言われて、少し照れる。けど、胸のときめきは……違う。その瞬間。バジッ。手を繋がれた。

「だめ。こっちが先約」

振り返ると、少し焦った顔の伊織くんがいた。

「な、なんで?」

「なんでじゃないだろ。いくぞ」

「う、うん」

呆気に取られながら、山田に手を振る。山田は驚いた顔で固まっていた。伊織くんの手は、大きくてあったかかった。