向日葵は彩る君に恋をした

お面をつけて、屋台をまわる。並んで歩くだけで楽しい。

「これなに?」

射的を指さす。

「これ、射的。景品を狙うの。こうやって」

「へぇー」

「やる?」

「やる」

お面を少しずらして、まずは私が構える。何がいいかなぁ……あ、ペンギンの人形。あれ取れたら喜ぶかな。そう思って狙ったけど――

「だめだ」

「じゃあ、交代」

伊織くんがすっと構える。

「やったことあるの?」

「ない」

「ないんだ」

なのに、ポンッと軽い音でペンギンのマスコットが落ちた。え…センスある。

「すごい!イェーイ!」

思わず手を上げると、

「いぇい」

と伊織くんもらハイタッチ。浴衣越しでも、手の熱が伝わる。

「お兄ちゃんうまいな!」

おじさんが笑ってペンギンを差し出す。それを受け取った伊織くんは、私に向き直って――

「ほら」

「え?」

「あげる」

「な、なんで?」

「欲しいのかと思って」

チェーンを持ちながら、プラプラ揺れるペンギンのマスコット。

「あ、ありがとう」

受け取った瞬間、胸がきゅっとなる。可愛い。家宝にしよう。