向日葵は彩る君に恋をした

カランコロン。下駄の音がやけに軽い。というか――歩くの速っ!

「ちょっ、まって!」

ずっこけそうになった瞬間、

「あ、悪い」

すっと手を取られた。指先が触れたところが、じんわり熱い。

「いや、ありがとう」

「いつもの癖で歩いてた。
慣れてないと浴衣で下駄だと歩きにくいよな」

「う、うん」

「じゃあ、ゆっくりいこう」

そう言って、歩幅を合わせてくれる。その自然さが、胸にやさしく落ちる。

「それにしてもイヤリング、オシャレだね」

髪をサイドだけ耳にかけて揺れるシルバーのイヤリング。視線がそこに落ちる。

「これピアス」

「え!?ほんと!?不良だ!」

「いや、反抗期であけた」

「そうなんだ。でもいいね。めっちゃオシャレでクール!」

そう言うと、伊織くんは一瞬目を丸くして――

「……さんきゅ」

と、照れたように笑った。その笑顔に胸の奥がきゅっとなる。ふと思っていたことを口にする。

「あのさ、顔バレ平気?
私、伊織くん信者にやられない?」

真顔で言うと、伊織くんも真顔になった。

「……まあ、学校のやつに会うのはだるいな。
なら、お面買おうぜ。祭りっぽいし」

二人で並んで、お面を見つめる。

「何がいいかな」

「これとこれください」

「ちょっ、早い!」

そう言うと、私にお面を渡してくる。リボンをつけたペンギン。

「……ペンギン?」

「可愛いだろ」