向日葵は彩る君に恋をした

「できたか?」

襖の外から、低く落ち着いた声がした。

「はい、できましたよ。
とっても可愛らしいですよ」

亀井さんが襖を開ける。その向こうに立っていた伊織くんと、目が合った。

「……よく似合ってます」

その言い方が、いつもより丁寧で、声の奥が少しだけ柔らかい。優しい顔で見つめられた瞬間、頬がじわっと熱くなるのが自分でもわかった。

「あ、ありがとう。そっちも」

浴衣姿の伊織くんは、涼しげで、耳元で揺れるイヤリングも見惚れるほどかっこよかった。

「……ああ」

短く返す声が、どこか照れているようにも聞こえる。そんな二人を見て、亀井さんがふわりと微笑んだ。

「楽しんできてくださいね」

その言葉に背中を押されるようにして、私たちは並んで玄関へ向かった。

外に出ると、夏の夕風がそっと浴衣を揺らす。隣を歩く伊織くんの気配が、いつもより近く感じた。