向日葵は彩る君に恋をした

「それは、私から何とも……
だけど、わかることもあります」

亀井さんは少しだけ目を細めた。

「貴女と出会ってから、坊ちゃんの表情が変わりました」

「そうですか?」

「ええ。坊ちゃんから連絡がくるんですよ。
ハンバーグ作ったとか、今日いけた花が綺麗にできたとか」

そう言って、スマホの画面を見せてくれる。そこには、伊織くんが撮った料理や花の写真が並んでいた。どれも、どこか嬉しそうな雰囲気がある。仲良しなんだな……と胸が温かくなる。

「坊ちゃんも変わりつつあります。
それはきっと、貴女の影響でしょうね」

「そう……ですか?」

悪い方に影響していないといいけど。そんな不安が胸の奥で小さく揺れる。亀井さんは、まるでその気持ちを見透かしたように穏やかに微笑んだ。

「きっと、大丈夫です。
坊ちゃんに足りないもの。それが――貴女と過ごすうち少しずつ満たされているように見えます」

その言葉は、静かに胸へ染みていく。

「真斗様…坊ちゃんのお父上も少し不器用なんです。
けれど……坊ちゃんは、変わりたいと願っています。きっと良い方に進んでいきますよ」

亀井さんの声は、伊織くんの幼い頃からずっと見守ってきた人の声だった。その優しい言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなった。