向日葵は彩る君に恋をした

帰り道は静かだった。伊織くんは何を思っているんだろう──そんなことを考えていたとき、ふと視界に夏祭りのポスターが入り、足が止まった。あ、今週か。

「なんだ、行きたいのか」

いつのまにか伊織くんが前に立っていた。夕暮れが伊織くんの髪を柔らかく照らす。

「いや、そういうわけでは……」

「行こう」

「え?」

思わず顔を上げる。

「一緒に行こう」

真っ直ぐと見つめる瞳。

「な、なんで?」

「なんでって……」

頬をかきながら、ポスターを見上げる。

「俺に足りないものが見つかるかも」

「……ちゃんと探してたんだ」

「いや、さっき言われて、やべってなった」

そう言って笑う。さっきまで重かった空気が、少しだけ軽くなる。

「じゃあ探しに行こうか。
伊織くんのカケラ」

「なにそれ、ジグソーパズルみたい」

くすっと笑う伊織くん。

「なんか、やりたくなったかも。やろうよ、パズル」

「……急に?」

そう言ってこちらを見る。

「お店寄って行こう!」

「はいはい」

そう言いながら歩き出す。空気はさっきよりずっと明るい。