向日葵は彩る君に恋をした

「すみません、少し急ぎでして。用が終わるまで少しお待ちいただけますか?」

青年はそう言うと、静かな足取りで広間の中央へ向かっていく。

「はい、大丈夫です」

後をついていくと、そこにはすでに花をいけるための場が整えられていた。花器、剣山、布巾、花ばさみ──どれも丁寧に手入れされ、整然と並んでいる。あとは、花だけ。

「花の状態、確認させてもらえますか?」

「はい、もちろんです」

私は包みを開き、花を一つずつ並べていく。青年は紫陽花を一つ手に取り、光に透かすようにして見つめた。

「……良いですね。とても丁寧だ」

その言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなる。じぃちゃんに叩き込まれた下処理を、初めて褒められた。