「…こういうことされると、こっちも顧問弁護士入れたり、本気で動かなきゃいけなくなる。
その意味、ここにいる頭の良い皆さんならわかるよね?」
教室が一気に静まり返る。嫌がらせをしていた女生徒はガクガク震えている。……すごい。しっかり権力振りかざしてる。
「あ、そうだ」
伊織くんがふっと視線をこちらに向ける。
「葵さんとは、ただの……関係ではないから。
そこも、よーく覚えといて」
そう言って、肩をぐいっと引き寄せられた。
な、なんでーーーー!!心臓が跳ねて、呼吸が一瞬止まる。
そのままクルッとカバンを取り、私の手を握って教室を出る。
半ば引きずられるように廊下へ。
「ねぇ、なんであんなこと言ったの!」
「……あー言った方が、色々勘繰ってくれて悪さしないだろ?」
「いやいや、変な噂流れるよ!」
「流しとけばいいよ」
気にした様子もない。むしろ、当然のように私の手を離さない。ほんとずるい。



