向日葵は彩る君に恋をした

「……とりあえず、全部捨てろって言ってるわけじゃないです。
整理整頓しましょう」

場を明るくするように声を上げて、腕まくりする。

「整理と整頓ってなにが違うわけ?」

「整理は不要な物を取り除くこと。
整頓は、必要な物をきれいに整えることです」

「へぇー」

「花も同じですよ。
不要な雑草や枯れた花は取り除く。
そして、綺麗に咲けるように整えてあげる」

そう言って笑うと──

「なるほどね。花に例えるとなんかやる気出てくるかも」

伊織くんはぐっと伸びをして、片付けを始めた。二人で黙々と作業し、黒井さんも手伝ってくれてようやく部屋は“人が住める空間”になった。床が見える。テーブルが見える。空気が軽い。伊織くんがぽつりと呟く。

「……なんか、息しやすいな」

その横顔は、少しだけ晴れたように見えた。