向日葵は彩る君に恋をした

「なんで知ってるの?」

「黒井情報」

あの人忍びか何かなの?

「そんな心配いらないのに」

だって私は、伊織くんしか見ていない。

「好きな人と同じ家に住んでて、もうきつい。なんか良い匂いするし」

「それはこのラベンダーのヘアオイルだよ。
洗面台にあるの伊織くんも使っていいよ」

「さんきゅ…ってそうじゃなくてさ。
葵……だめ?」

その目が、ほんとに反則。胸がきゅんと跳ねる。

「……だめじゃないよ。
でも、ちょっとこわい」

そう言うと、伊織くんはそっと息を吐いてこちらを見つめる。

「花より何よりも、葵には優しく触れる。
嫌なことは絶対しない。
だから……俺を信じてほしい」

声が低くて、真剣で、そのまっすぐさが胸に落ちてくる。

「……うん」

「葵も、俺に触れてほしい」

そっと手を引かれる。その手があたたかくて、指先まで優しい。それから寝室に入ると、伊織くんはシャツを脱ぐ。引き締まった上半身裸の彼を見て胸がドキドキする。

「あの……」

言いかけた私に、彼はまっすぐな目で言う。

「葵好きだよ、大事にする」

その言葉が近くで落ちて、胸の奥が一気に熱くなる。そっと抱き寄せられる。腕の中はあたたかくて、触れる手は少し震えていて、その震えさえ愛おしくて、ぎゅっと胸が満たされていった。