向日葵は彩る君に恋をした

「そうだ、デートどこ行くの?」

「それは、着いてからのお楽しみ」

そう言って、自然と手を繋ぐ。電車に乗り、バスに揺られ、辿り着いたのは──ひまわり畑だった。

「綺麗だね」

「俺、よくインタビューで“どの花が好きですか”って聞かれるんだけど、
いままで特に好きな花ってなくてさ」

「冷めてるねー」

そう笑うと、伊織くんも少し笑った。

「でも今は、花の中で向日葵が一番好きになった」

「そうなんだ。なんか照れるなあ」

そう言うと、

「自意識過剰だな」

茶化してくる。

「自惚れかな?」

顔を覗き込んで言うと、

「いいや、自惚れじゃない」

伊織くんはピタッと足を止め、真剣な瞳でこちらを見つめた。

「大人になって、立場が変わっていったとしても……
葵への想いは変わらない。
そういう誓いを立てに、ここに来たんだ」

向日葵の黄色が、風に揺れてきらきらしている。

「なかなかロマンチックだね」

「まあ。今日は“表キラキラ王子”の日だからね。
あと──形に残るものをあげたくてさ」

ふわっと笑うその顔が、向日葵より眩しい。