向日葵は彩る君に恋をした

「何お願いしたの?」

そう聞くと、伊織くんは少し照れたように答えた。

「去年のお礼しといた」

その言葉に、私は思わず目を丸くする。

「葵に出会えて、俺……人生史上いちばん幸せだからさ」

真っ直ぐ笑うその顔が、やっぱりずるい。

「葵は?」

「内緒!」

照れくささを隠すみたいに、私は少し早足で歩いた。一緒におみくじを引くと、

「俺、大吉だ。
“その道を極めれば上手くいく”だって」

「いいねー。
私は……小吉。
えっと……“手強いライバルが行手を阻む”」

思わず顔を見合わせる。

「まあ、大丈夫だって」

「う、うん」

「御守り買う?」

「そうだね、何にしよう。健康運?」

「うーん、厄除?」

二人で並んで御守りを見る。

「じゃあこれは?」

伊織くんが指さしたのは、黒と白が並ぶ心願成就の御守りだった。

「心願成就?」

「そう。心の底から願ってることが叶うってやつ。
まあ、努力しないとだけどね」

そう言って、二人で並んで御守りを見つめる。

「いいね。私これがいい」

「じゃあ、お揃い」

私は白地に淡い金色の刺繍のものを。伊織くんは黒地に金色の刺繍のものを選んだ。白と黒。淡い金と濃い金。並べると、まるで“対になる二人”みたいで、胸が少しあたたかくなる。