向日葵は彩る君に恋をした

伊織くんは、新年の食事会に出なければいけないとのことで、亀井さんに着物を脱がせてもらい、私はこのまま実家に戻った。伊織くんも今日は実家に泊まるらしい。

「うーん……渡さないって、どういうことだろう」

椿さんの言葉が頭の中でぐるぐるしていたとき、スマホが突然鳴った。

「もしもし」

『あけおめー!』

『おめでとう!』

『おめでとうございます』

千夏、山田、麻美の声が一斉に聞こえてきて、一気に空気が明るくなる。

「あれ?みんな一緒なの?」

『うん!初詣いこうって集まってるの。葵もいこうよ!』

『伊織にも連絡したけど出なくてさ!』

山田の声が混ざる。

「伊織くんは忙しいから無理だけど……私行きたい!」

『じゃあ学校近くの神社で待ち合わせな!』

「了解!」

電話を切って、私はダウンを羽織る。それからニット帽を被る。