向日葵は彩る君に恋をした

「弓弦くん、あの綺麗な人って?」

「真宵 椿さんですね。
21歳で、門下生の中でも一目置かれている方です。
数々の賞を取られている実力派ですよ」

「へぇー……」

軽く返したつもりが、胸の奥がざわつく。弓弦くんは続けた。

「ちなみに──伊織くんラブです」

「う、えっ!?」

思わず変な声が出た。

「結構有名ですよ。
お見合いさせるとか、そんな話も昔あったみたいですし」

「そ、そ、そうなの!?」

慌てふためく私を見て、弓弦くんは肩をすくめる。

「でも大丈夫でしょ。
伊織くんは葵さんに夢中ですし」

「いやいやいや、あんな美人に言い寄られたらコロッといかない!?」

「うーん……なるかもですね。
まあ、僕のタイプとは違いますけど」

しれっと言う弓弦くんに、私は思わず聞き返す。

「弓弦くんって、どんな人がタイプなの?」

「それ、聞きます?」

少しだけ目をそらして、弓弦くんは不機嫌そうにこちらを見る。