向日葵は彩る君に恋をした

「たまには帰ったら?」

そういうと、

「俺の家は、葵と住んでる今の家だ」

しれっとそんな事をいう。

「またそんなこと言って…」

思わず苦笑いする。

「…俺も準備する、また」

「うん、いってらっしゃい」

そういうと、伊織くんは手をひらりとして去っていく。そして広間の端に移動したところで私は見知った人物を見つけた。

「弓弦くん!」

「葵さん、あけましておめでとうございます」

青地の着物姿の弓弦くんが、きちんと頭を下げた。

「あけましておめでとう。
クリスマスパーティー以来だね」

そう笑うと、弓弦くんも嬉しそうに頬をゆるめる。

「はい、とっても楽しかったです」

「弓弦くんも呼ばれたの?」

「はい。今日は真斗さんと伊織くんの“いけ”が見られますし……
それと、もう一人。すごい方が来ていますので」

「へぇー」

軽く返したけれど、弓弦くんの言い方が、どこか含みがあった。“もう一人。すごい方。どんな人だろう?”胸の奥が、ほんの少しざわついた。