向日葵は彩る君に恋をした

黒井さんの車に半ば強制的に乗せられ、着いたのは──
さっきの和風の家とはまったく違う、綺麗な洋風の一軒家だった。
なんか……広い。おとぎ話に出てきそうな白い壁と大きな窓。
庭には色とりどりの花が咲き乱れていて、オリーブの木が揺れている。まるで絵本の世界に迷い込んだようだ。

中に入ると、白を基調とした吹き抜けのリビング。……なのに。物が、ごちゃごちゃしてる。

服はそのへんに落ちてるし、飲みかけのコップはテーブルの端に放置されてるし、雑誌やら紙やらが床に散乱している。
黒井さんがそれらをひょいひょいと回収していく。慣れてる……。
え、待って。あの凛とした所作の美青年はどこへ行ったの?
ふと落ちていた雑誌に目を向ける…そこには“花の声を聴く若き天才貴公子”とかかれている。目の前の人と同一人物なのか、雑誌と交互にみる。
九条さんはソファにずかっと腰掛けて言った。

「そこ座って」

……いや。どこを!?こんなごちゃごちゃしてるところに!?
とりあえず、散らばったものをそっと避けて、正座する。