向日葵は彩る君に恋をした

そして一週間後。弓弦くんから花の依頼が入った。しかも―伊織くんも呼ばれている。

「なんで俺も……」

「なんでだろうね」

そう言いながら、私は処理したダリアを渡す。

「わざわざありがとうございます。伊織くんも」

弓弦くんは丁寧に頭を下げた。

「僕の今の生花を見てもらいたくて。よろしくお願いします」

「ああ」

伊織くんは短く返事をして椅子に腰を下ろす。
私も隣に座る。
弓弦くんは迷いなく、真っ直ぐにダリアをいけていく。その姿を見て――あ、変わった。私でもわかる。誰かの真似じゃない。弓弦くん自身の生花だ。伊織くんも真剣な表情で見つめている。

「できました。
これが今の僕の精一杯です。
感想、聞かせていただけますか?」

弓弦くんの声は少し震えている。伊織くんは真っ直ぐ花に目をやる。

「ダリアの角度が甘い。重心が少しズレてる。
花も詰めすぎ。もう少し余白を意識して。
ここの葉っぱが余分。綺麗じゃない」

ズバズバ言うな……。

「でも……この作品はちゃんと“お前”がある。
見よう見まねで取り繕ったものより少し荒いが、こっちの方がよっぽどいい」

「……伊織くん」

弓弦くんの目が揺れる。

「ただ、葵の花を生かしきれてない。
もっと精進しろ」

そう付け加えた。