向日葵は彩る君に恋をした

「伊織くん、言い方。
私、様子見てくる」

「な、なんでだよ」

慌てた声が背中に届いたけれど、私は弓弦くんを追いかけた。
会場を出てすぐの公園。ベンチのそばで、弓弦くんが肩を震わせていた。

「弓弦くん、大丈夫?」

涙をぬぐいながら、彼は顔を上げる。

「なんで追いかけてきたんですか……笑いに来たんですか?」

その言葉に、私はゆっくり首を振った。

「心配できたの。
ここ何日も、弓弦くんが花と真剣に向き合う姿、見てきたから」

驚いたように、弓弦くんがぽつりと口を開く。

「僕……ずっと伊織くんに憧れてたんです。
初めて彼がいけた花を見て、感動して。
僕もそうなりたいって……だから必死に追いかけてきた。無我夢中で……」

声が震える。

「なのに、“つまらない”って……
尊敬していた人にそんなこと言われたら……もう……僕は華道やめます……」

その言葉に、私は小さく息をついた。

「……わかるなー」

「貴女になにがわかるんですか?」

ぎゅっと睨まれる。ほんと、可愛くない年下だな……と思いながら。

「伊織くん、すごいよね。
私も、彼がいける花が好き」

弓弦くんは黙って聞いている。