向日葵は彩る君に恋をした

それから週に何度か、浅葱くんの家へ花を配達するようになった。

「伊織くんは普段どんなものを食べるんですか?
やはり五穀米や魚、煮物とか漬物でしょうか?」

浅葱くんは今日も大真面目にそんなことを聞いてくる。最近は和食めっきりだな。昨日なんて、亀井さんと黒井さんも呼んで焼肉パーティーだった。お金持ちだから持ってきた肉がA5ランクの特上で、びっくりするほど美味しかった。そんなことを思い返していると――

「あの、聞いてます? 葵さん」

「下の名前で呼ぶんですか」

「葵さんって、いい名前ですよね」

「どうも。
弓弦くんも素敵ですよね」

「親は本当は華道じゃなくて弓道をやらせたかったみたいですよ。
でも弓道の才は全く皆無です」

弓弦くんはさらりと言う。

「弓が反対方向に飛んでいって、先生が悲鳴あげてました」

「それはちょっと笑えますね」

「でしょう?
……葵さんは、なんで花を?」

「じいちゃんの花屋を手伝ったことがきっかけですかね。それで伊織くんとも知り合いました」

弓弦くんははその答えを聞いて、少しだけ目を細めた。興味深そうに、けれどどこか羨ましそうに。