向日葵は彩る君に恋をした

「彼は、うちと長く付き合いのある花材師の
薬師丸 岳(やくしまる がく)さんです。
華道会の“花の目利き”として有名な方です」

私は深く頭を下げる。薬師丸さんは静かに頷き、落ち着いた声で口を開いた。

「初めまして、葵さん。
貴女の処理した花を見させてもらった。
若いのに、よくできている。
ここまでの仕事は、プロでも難しい」

長年花を扱ってきた人の、確かな評価に嬉しくなる。

「君が本気で華道家たちの裏方として仕事をしたいのであれば、私は君を支援したい」

「本当ですか……」

「もちろんだ。
私の下について学んでみてはどうだろうか。
私も、こんな貴重な人材は育てていきたい」

その言葉は、胸の奥にまっすぐ届いた。迷いも不安も、全部この瞬間に報われた気がする。

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

私はすっと頭を下げた。嬉しい。涙が出そうなくらい嬉しい。