向日葵は彩る君に恋をした

「それで、いくつかの花屋に頼んでみたのですが……
すずらんさんの花が一番状態が良く、丁寧でした。
ぜひ、契約をお願いしたいと思いまして」

私は、なんだか胸が熱くなる。自分が丁寧に処理した花を“綺麗だった”と言ってもらえたことがやっぱり嬉しい。
九条さんは丁寧な物言いで頭を下げた。
……それにしたって同一人物なの?さっき睨みきかせてたよね?二重人格なの?
そして、じぃちゃんは少し目を細めて言った。

「……その花の処理をしたのは葵だな。ワシじゃない」

「はい、存じております」

即答する九条さんにじぃちゃんは肩をすくめた。

「ワシはもう歳だし、ただ趣味としてやってるだけだからなぁ」

そう言ってから、私を見た。

「だから、葵が決めなさい」

……ん?幻聴か?

「え? な、なんで!?」

「なんでって、ワシが教えられることは葵に全部教えてある。
花の仕入れや下処理、水揚げも全部できるだろう」

「いやまあ、できるけどさ!
でも、わたしだって……ひまでは──」

言いかけた瞬間、九条さんの目がじろりと光った。“いいからやれ”という眼圧。ひぃっ。