向日葵は彩る君に恋をした

案内された先は、ガーデンだった。広くて、静かで、手入れが行き届いている。まるで空気そのものが澄んでいるような場所。

「この花の処理をしてくれるかい?
必要なものはすべて揃えてある」

そう言われて、紙を渡される。

「わかりました」

ぎゅっと腕まくりをする。──頑張ろう。

「では、できたら声をかけるように」

真斗さんは離れたところに移動した。

リストを見る。最初の花は──菊。白菊。水揚げが難しいとされる花。ガーデンをまわり、白菊の前に立つ。よく手入れされていて、凛として美しい。その前に、場を整えなければ。
私は花材道具が置かれている場所を確認し、自分の使いやすいように並べていく。ハサミ、ナイフ、桶、布、霧吹き──ひとつひとつ、丁寧に位置を決める。それから、道具の確認。
……こんなこともあろうかと。御守りがわりに持ってきた、伊織くんからもらった向日葵モチーフの花ばさみをバックから取り出す。
手に馴染む。握るだけで、少し勇気が湧く。