向日葵は彩る君に恋をした

「心配かけたな」

「ううん、大丈夫」

「……なんか悩み事か?」

「え? わかるの!?」

「わかるわかる。葵のことは、よーくわかる」

じぃちゃんが優しく笑う。その笑い方が、昔から変わらない。

「ねぇ、すずらんどうなるの?」

「どうなる……まあ、閉めるしかないかな。
世話も難しくなったらな」

「……そっか」

胸がきゅっと痛む。あの店は、ただの花屋じゃない。私の原点で、家族で、思い出で──大事な場所。

「葵……無理に継ぐ必要はない。
葵がやりたいことを優先しなさい。
もう、ここにあるんじゃないのか」

じぃちゃんが自分の胸をとん、と叩く。

「じぃちゃん……」

言葉が震える。

「私、伊織くんのそばにいたい。
あんなに綺麗に花をいけてくれる人の花を、私が育てたい。
隣に並びたいのに、どんどん前に行っちゃう。
このままじゃ置いていかれちゃう。
並べてる気がしない……」

言葉を絞り出すたびに、胸が痛くなる。

「私は、伊織くんの隣に堂々と並べる自分でありたい。
そのために、私はどうしたらいいんだろう……」

ぽろぽろと涙がこぼれた。止めようとしても止まらない。じぃちゃんは、ただ静かに見守っていた。