向日葵は彩る君に恋をした

黒井さんの運転する車の後部座席に、私と九条さんが並んで座った。……足、長っ。和服から薄手のシャツとズボンに着替えた彼は、さっきよりずっと年相応に見える。それでも、やっぱり様になっているのがずるい。それにしたって──なんでこんなことになってるんだろう。ぼんやりしているうちに、車はあっという間に家に着いた。

「じぃちゃん」

「葵、帰ってきたか。ん?客人か?」

「う、うん……」

じぃちゃんが私の後ろに立つ九条さんを見た瞬間、すっと姿勢を正した。

「九条 伊織と申します。華道家として活動しております」

「もちろん、知ってるよ。九条 真斗さんの息子さんだろう」

え、有名な人なの……?

「はい。実は折り入ってご相談がありまして。
仲良くさせていただいていた花屋の都合が悪くなり、花を提供してもらえなくなってしまいまして」

「それは……困ったね」

じぃちゃんは腕を組み、少し考えるように目を細めた。九条さんは続ける。