向日葵は彩る君に恋をした

伊織くんの怪我はすっかり完治した。後遺症もなくて、本当にホッとした。そろそろ進路指導調査の紙が配られた。今高校二年。来年は受験だ。
私は何になりたいんだろう。花を扱う仕事がしたい。伊織くんの隣に、堂々と立っていたい。
そのために必要なのは──知識と経験。並びたいのに、並べている気がしない。どうしたら彼の支えになれるんだろう。
じぃちゃんの花屋も無くしたくない。すずらんは大事なお店だから。思わずため息がこぼれた。

「葵は進路どうするの? 大学? 専門? それとも花屋に就職?」

千夏がそう聞いてくる。

「まだ……わかんなくて。
花を扱う仕事はしたい。でも、その明確な目標がわからなくて」

そう言うと、

「てっきり、伊織くんのサポートしたいのかと思ってた」

「いや、したいんだけどさ。
覚悟が……ないというか。
あんなに真剣に花と向き合ってる人と、私はただ花が好きで触れてきただけで……そばにいていいのかなって」

伊織くんは華道会の天才で、結果も残している。今後もっともっと輝いていく人だ。そんな人の隣に私は──。

「うーん、もっと単純でいいと思うけどなー。
好きだからそばにいたい、だめ?」

千夏が肩をすくめる。