向日葵は彩る君に恋をした

「お待たせ」

「伊織くん! すごかった!
それより手はもう平気!?」

「あー大丈夫。
医者にも出ていいって言われたから」

「そうだったんだ」

「ほんとは、出る予定なかったんだけど……
葵の顔見てたら出ようって思った」

「え?」

「自分のせいでって、責めてるなって」

図星すぎて、胸がきゅっとなる。

「でも、それはほんとだし。私のせい……」

「そんなことない。
俺がやりたくてやった。
葵が怪我しなくてほんと良かった。
俺は何一つ後悔してない」

真っ直ぐに向けられる瞳。逃げ場がないほど優しくて、強い。

「たとえ右手がなくなっても左手がある。
両手なくなったら……足?
それは、難しいか」

ふっと笑うその顔が、強がりじゃなくて、本気の強さに見えた。

「……伊織くんは強いな」

そう言うと、

「そうなれたのは、葵がいるからだよ。
俺は葵に出会って、変われたんだから」

そっと、私の手を取る。

「伊織くん……」

「だから、大丈夫」

「……うん」

自然と手が重なり合った。その温度が、胸の不安をゆっくり溶かしていった。