向日葵は彩る君に恋をした

数日後──

「葵」

「なに?」

「来週の土曜日、ここきて」

そう言われて渡された冊子を見つめる。表紙には 秋彩展 の文字。秋に行われる催しだろうか。

「これなに?」

「まあ、とりあえずきて」

その言い方が妙に含みがあって、私は思わず頷いた。

「わかった……」

そして約束の土曜日。ロング丈のワンピースに身を包み、カチューシャをつけて会場へ向かう。

「伊織くん……どこいるんだろ?」

観るなら一緒に来ればよかったのに。そう思いながら案内された席に座るが、どこにも伊織くんの姿はない。ざわめく会場。秋の花々の香り。静かに流れる空気。
しばらくすると──ステージの奥から、和装の伊織くんが現れた。
え……?うそ…?右手は包帯が取れている。袖口から見える手首は、もう白い布に覆われていない。手…本当に平気なの…?
胸がぎゅっと痛む。安堵と驚きと不安が一気に押し寄せる。