向日葵は彩る君に恋をした

「片手だと上手く洗えない」

「わかった! 邪心な心は捨てて誠心誠意洗う」

「なんだそれ。でも頼んだ」

クスッと笑いながらそう言われて、私はシャワーを手に取り、そっと頭にかける。シャンプーを手に広げて、優しくゴシゴシと洗っていく。

「葵、うまいなー」

「ならよかった。痒いところないですかー?」

「んー、首の後ろ」

「はーい」

一通り洗い終えて、

「流すよ」

「おー」

シャワーを当てると、さらりと髪が整っていく。よし、シャワーを戻そう──と思った瞬間、手が滑った。

「う、うわぁ!」

「あー」
シャワーのお湯を丸かぶりしてしまい、思わず座り込む。

「ぬ、濡れた……」

伊織くんがシャワーを立てかけ、私をじっと見下ろす。

「ごめん、そそっかしくて。包帯濡れちゃった?」

「いや、平気」

「あとで取り替えるね」

そう言うと、

「うん」

スッと綺麗な顔が近づいてくる。え──?ちゅ、と軽く触れるようなキスが落ちた。雫がぽたぽたと垂れる中、そっと触れる唇。

「い、伊織くん?」

水に濡れた髪が、ただただ綺麗で。整った顔立ちが、いつもより少し大人びて見える。

「ちょっと黙って」

そう言われて、もう一度そっと触れる唇。体温が近くて、胸がぎゅっとなる。思わず、ぎゅっと抱きしめてしまった。伊織くんがビクッと肩を震わせる。……なんか可愛い。シャワーの音がざーっと流れる。

「……出るわ」

「そ、そうだね」

「葵はそのまま浴びちゃえば?
俺は自分で着替えるから」

「え、あー……うん」

しばらく固まっていると、伊織くんがそっと脱衣所を出ていった気配がした。