向日葵は彩る君に恋をした

「右手首を捻ったようだね。
一ヶ月は安静にしてね」

そう言われ、湿布と包帯が丁寧に巻かれていく。白い包帯が右手を覆うのを見て、胸がぎゅっとなる。

「あ、あの……大丈夫ですか?
花いけるのに支障はないですか? 後遺症とか……」

恐る恐る尋ねると、

「これぐらいなら大丈夫だよ。
でも無理はせずにね」

医者の穏やかな声に少し安堵した。けれど──やっぱり私のせいだ。家に着き、ソファに座る伊織くんの前で、私は思わず土下座した。

「この度は、私の不注意で怪我をさせてしまい……
大変申し訳ありませんでした」

床に額をつけたまま言うと、

「いや、これぐらい大丈夫だって。
近々大きい大会もないし」

軽く笑う声が降ってくる。

「いやでも……私のせいで」

顔を上げると、伊織くんがぽつりと言った。

「すみれ」

「え?」

「あれ、踏まないように避けたんだろ。
仕方ないよ。……俺、葵のそういう優しいところも好きだから。怪我しなくてよかった」

柔らかく微笑む。ずるい。そんな顔で言われたら、胸がまたぎゅっとなる。

「あの……私にできることがあれば、なんでもするから」

そう言うと──

「へぇ〜……なんでも、ねぇ?」

ニヤリと笑った。絶対なんか企んでる顔。嫌な予感しかしない。