春のその先で、君と。




りのんは、やっぱり優しい。


今日も俺の様子がおかしいことに気づいてくれていた。


本当なら、全部話してしまいたかった。


母さんから連絡が来たこと。


日曜日に会うことになったこと。


怖いってことも。


でも。


今回は、自分で向き合いたかった。


りのんに相談すれば、きっと優しく話を聞いてくれる。


それが分かっているからこそ、自分の力で一度向き合ってみたかった。


しばらく迷ったあと、俺は返信する。



『心配してくれてありがとう。元気だよ』



それから、少しだけ間を空けて。



『日曜日は予定があるんだ。ごめん』



送信する。


すぐに既読がついた。



『そっか!わかったよ』



『じゃあ、また学校でね』



その文字を見て、胸が少し痛くなる。



「……ごめん、りのん」



嘘をついたわけじゃない。


でも、全部を話したわけでもない。


それでも。


今回だけは、自分で答えを見つけたかった。


母さんと、ちゃんと向き合うために。