春のその先で、君と。




スマホを取り出して、何度も画面を確認する。


母さんとのトーク画面。


まだ、俺からの返信はない。


どう返せばいい。


何を話せばいい。


考えれば考えるほど、分からなくなる。



「……湊くん?」



「え?」



「どうしたの?」



「いや、なんでもない」



そう答えて、またスマホを見る。



「湊くん、今日ちょっと変だよ」



「……そう?」



「うん」



りのんが心配そうに俺を見る。


でも俺は、自分のことで精一杯だった。


母さんに返さなきゃ。


そのことばかりが頭の中をぐるぐる回っている。



「……ごめん、りのん」



「え?」



「いや……なんでもない」



そう言ったけれど。


その日の俺は、自分でも分からないほど、心の中がぐちゃぐちゃだった。


嬉しいのか。


怖いのか。


寂しいのか。


それすら、自分では分からなかった。