春のその先で、君と。




なんだよ、これ。


夢の中でもこんなこと言われたら、俺どうしたらいいんだよ。


顔が熱くなるのが自分でもわかる。



「……かわいすぎるだろ」



思わず呟く。


今日だけでも、何回りのんをかわいいと思ったんだろう。


朝、玄関を開けたとき。


遊園地ではしゃいでいたとき。


観覧車で照れていたとき。


そして、俺のプレゼントを嬉しそうに受け取ってくれたとき。


思い出すたびに、胸の奥がじんわり温かくなる。


こんなに好きな人と付き合えているんだ。


そう思ったら、なんだか急に恥ずかしくなった。



「……俺、幸せすぎない?」



誰もいない部屋で、ひとりで呟く。


それなのに、口元は勝手に緩んでしまう。


夢の中のりのんが、また笑った。


その笑顔を見ながら、俺も笑う。


今日一日が夢だったら嫌だな。


でも、これは夢じゃない。


三ヶ月記念日も、遊園地も、観覧車も。


りのんと過ごした全部が、本当にあったこと。


そう思うと、また胸がいっぱいになった。



「……明日、顔合わせたら恥ずかしいな」



そう思いながらも、俺は幸せな気持ちのまま眠り続けた。