転生令嬢は謎の騎士に溺愛されています!?~地味スキルと言われましたが【待機】と【接続】で料理も魔法も思いのまま? 辺境から幸せになります!~

 地下の備品をものの数日で全て直し終えてしまった私に、第一王子であるシベリウス様から直々の指名依頼(ミッション)が舞い込んだ。

「アルヴェリア南部の港町、ルナポルトへ出張してほしい。あそこの『魔力灯台』の巨大な反射鏡が、先日の嵐で砕け散ってしまってね」

 執務室に呼び出された私は、渡された資料をパラパラと捲った。
 ルナポルトは他国との貿易を担う重要な港町だが、灯台が壊れたせいで夜間の船の出入りができず、物流が滞って多大な損失が出ているらしい。

「現地の職人いわく、新しく鏡を作り直すには三ヶ月はかかると。だが、君のそのデタラメな修復の力なら……」

「もし、砕けた破片がきちんと残っているなら、繋ぎ合わせることが出来ると思います」

 私が即答すると、シベリウス様はパァァッと顔を輝かせた。

「おお、さすがは我が国の派遣型修復師! もちろん特別手当と出張費は弾もう!」

「素晴らしい条件ですね。お引き受けします!」

 特別手当という魅力的な言葉に、私は力強く頷いた。
 すると、私の隣で腕を組んで話を聞いていたレオンさんが、当然の権利とばかりに口を開いた。

「俺も行く。ユフィの専属護衛としてな」

「は? いや、お前には明日から東部への視察任務が……」

「俺の恋人であり『伝説の乙女』であるユフィを、王宮の外へ出すのだろう? 万が一、賊に狙われでもしたらどうする。俺以外の誰に守れると言うんだ」

 凄まじい眼力で詰め寄るレオンさんに、シベリウス様は「……わかった。東部の視察は僕が代わるから、暴れないでくれ」とうめくように答えた。
 第一王子様の負担が計り知れない。