転生令嬢は謎の騎士に溺愛されています!?~地味スキルと言われましたが【待機】と【接続】で料理も魔法も思いのまま? 辺境から幸せになります!~

 私は気合を入れなおして通用門前の行列に並ぶ。
 セキュリティチェックの待機列といったところだろうか。
 商人ぽい人や、冒険者ぽい人、老若男女が雑多に並んでいる。
 自分の番が回ってきたのは、太陽がちょうど真上に差し掛かって、そろそろ日陰に入りたいなーと思っていた頃。
 受付で、人の良さそうなお兄さんから貰った紹介状を提出した。

「ふむ、臨時女官の希望だな。紹介状を見せよ……ん?」

 受付の役人は、紹介状に押された『紋章』を見た瞬間、ピクリと眉をひそめた。
 そして、隣にいた別の役人と何やらヒソヒソと邪悪な顔で囁き合っている。

『おいおい、第一王子派の推薦だぞ』

『生意気な。殿下の宮へ配属する予定のようだが、手違いを装って()()()()へ放り込んでやれ』

『くくく。もって二日、いや半日と経たずに泣いて逃げ出すだろうよ』

 丸聞こえである。
 というか、昨日のお兄さんが、まさかの第一王子だったとは――。
 私の対人運は、いったいどうなっているんだろう。
 早々に当たりをひいたのか、よくわからない。
 内心で驚きつつも、とりあえず営業スマイルを浮かべたまま、大人しく待つ。

 どうやらお城の中は、バリオスの一件でも聞いた通り、派閥争いでギスギスしているらしい。
 役人はわざとらしい咳払いをすると、私に向かって一枚の配属辞令を突きつけた。

「よし、お前の配属先は決まった。『第二王妃様』の宮だ。すぐに向かえ!」

 そうして私は、お城の奥深くにある第二王妃様の宮へと連行されたのだった。
 でもまって、第二王妃様ってつまり、レオンさんのお母様の宮なんじゃないの!?
 運が良いのか悪いのか。
 王妃様ってことは、たぶん内宮だよね?
 レオンさんの部屋が近くにあればいいんだけど。
 というか、私人のこと言えない位、ストーカー染みた行為しているな……。