真面目だけが取り柄の聖女候補ですが、今日から頑張るのをやめます!

「アリア様、大丈夫ですか?」

次の日の朝、朝食後にいつも1日のスケジュールを伝えてくれる、大神官補佐のエリオットから声をかけられた。

「大丈夫です」

反射的に返事をしてしまった。
睡眠不足で食欲もなくて、体調を心配してくれんだろうな。
ここにいると、ミルティーヌと自分への態度の違いに軽く絶望することが多いけど、エリオットだけは最初からずっと公平に接してくれたんだよね。

「これから大神官様の講義ですよね。すぐに移動いたしますね」

「お待ちください」

椅子から立ち上がろうとした私を、エリオットが制した。

「どうか無理をなさらないでください。お顔色が優れません。
本日はお部屋で休まれたほうが良いのではないでしょうか?」

「そうはいきません。先に部屋を出たミルティーヌ様も待っていらっしゃるでしょう。
急いで行かないと…」

私は立ち上がったけど…あれ…頭がぐるんとする…。
もしかして、私倒れる…?
床に体を打ち付ける覚悟を決めたそのとき、ふわっとした感触に包まれた。
気が遠くなる中、最後の力を振り絞って目を開くと、エリオットの焦った顔が見えた。
そして意識は暗転した。