真面目だけが取り柄の聖女候補ですが、今日から頑張るのをやめます!

「ミルティーヌ様は本当にお優しいですね。ですが、かばう必要はありません。本人の怠慢が招いているのです」

ミルティーヌに話しかけるときのガーディオの声はとても優しい。

「アリア様、そんなに私の講義がつまらないなら、退出していただいて構いません」

一方、私への声掛けは、氷のように冷たい。
たった一度の居眠りで、拒絶されなければならないの?
でも、寝てしまった自分が悪いのだから、素直に反省しないとね…。

「大変申し訳ございません。今後このようなことがないよう注意致します。どうかお許しください」

さらに深く頭を下げる私。

「無理しなくて結構!アリア様は私の講義など必要ないのでしょう。ご自分でなんでもできると思われているのですから」

「そ…そんなことありません!」

「さあ、ミルティーヌ様、続きを始めましょう」

「ガーディオ様!」

呼びかけたが、完全無視された。
ミルティーヌはチラッと私の様子を伺ったが、ガーディオから講義について問いかけされ、それに答えはじめた。

「え~っと…、聖女として国内で祈りを行うのは…」

教本をペラペラとめくりながら、一生懸命考えるミルティーヌ。
ガーディオの問いかけは、聖女が行う祈りの年間スケジュールについてだ。
私は昨夜予習したから、答えはすぐにわかった。
でも、それがどうしたっていうんだろう…。
頑張ったのに寝てしまって、ガーディオを激高させてしまった。

その後、講義が終わるまでガーディオは私を完全無視した。
それでも、私はガーディオとミルティーヌのやり取りを聞きながら、必死にメモを取った。