約束は、千年の時を超えて

「かる……大丈夫か」

数日間、高熱にうなされていたかるが、
ゆっくりと瞼を開く。

「……兄上様?」

「ああ。ここにいる」

その声を聞いた瞬間、かるの瞳から涙が溢れた。

「兄上様……!」

かるは起き上がろうとするが、力が入らずよろめく。

私は慌ててその体を支えた。

「無理をするな」

「……やっと、お会いできました」

震える声だった。

「会いたかったです」

私は静かに頷く。

「私も、お主に会えて安心した」

かるは私の袖をぎゅっと握りしめる。

「どうして、こんな無茶をした」

「兄上様に、もう二度と会えないと思ったからです」

「道中で命を落としていたかもしれないのだぞ」

「それでも構いませんでした」

その真っ直ぐな瞳を見て、私は言葉を失う。

「……そうか」

私はそっと、かるの頭を撫でた。

「来てくれて、ありがとう」

かるは涙を流しながら、小さく微笑む。

「兄上様」

私はその涙を指先でそっと拭った。

言葉はもう必要なかった。

互いに無事で再会できたことだけで、十分だった。