*
カーテンに仕切られ、外界を遮断していたロケバスが動きを止める。
大人たちの動きからバスがどこかに着いたということだけはわかった。
「着いたみたいだね」
太陽はシートベルトを外し、立ち上がる。
それに続くように文乃もシートベルトを外す。
ここがどこなのか気になって太陽に「ここは……?」と太陽に尋ねると、彼はニコニコと楽しそうに「出かけるなら、変装しないとね!」と女の子のように可愛く頬に手を添える。
「……?」
文乃は首を傾げていた。
*
女子がこぞって喜びそうな可愛らしいつけ爪も、慣れていない文乃には違和感が凄かった。
今どきの女の子が見たらキラキラと目を輝かせるであろうコスメたちはプロのメイクアップアーティストによってその力を100%発揮する。
流行のネイルとプロによる素晴らしい手腕によって、文乃はトレンドに敏感(に見える)令和ギャルへと変身していた。
「……ま、魔法ですか……!?」
鏡に映る見慣れない自分へ驚きの声を上げる。
魔法を施したメイクアップアーティストの小田さんはうふふふと微笑ましそうだ。
「そんな風にいってもらえると嬉しいわぁ〜」
お姉さんのように話す小田宏樹さんは太陽と仲の深いメイクさんだそうで。
太陽がハリウッドへ行くことになった時もついて行ったくらい。
アメリカのメイクアップアーティストとバチバチに闘いながらも最終的には向こうでの評価も得たというかっこいい人らしい。
逆境でも発揮できる精神力と根性は真似しようとしても出来るものではないだろう。
「わ?!」
メイク室の入り口から聞こえた短い声に振り向くとそこにはモデルのような美少女が立っていた。
綺麗……。
美しさに見惚れていると美少女はじっと文乃を見つめたまま頬を赤らめている。
「……可愛すぎるだろ……」
美少女が小声で呟く。
……ん?
その声に聞き覚えがあった。
もしかして……
「……先輩?!?!」
「ん?あれ、今気づいたの?」
なんとモデルのような美少女は太陽だった。
あまりに美しい変貌に全く男性とは分からない。
特徴的なオレンジ色の髪もオレンジ色寄りの明るい茶髪ロングヘアーに変わり、端正な顔立ちは女性に見えるようにメイクで仕上げられ、全く男性とは分からない。
文乃とお揃いの制服風ファッションも相まって完全に高校生令和ギャルになっていた。
「まぁ、見た目は良くても話したら声が男なんだけど。そこだけ気をつけないとね」
見た目は完璧な女子なのに話すと男子。
い、違和感が。
後ろで声優さんがアテレコでもしてるのかと勘違いしそうだった。
「相変わらず太陽ちゃんはなんでも似合うわぁ〜」
「いやー小田っちのメイクが凄いんだよ」
「んもう!褒め上手!」
ペシペシと太陽を叩く様子に二人の親しさが伝わってくる。
そんな楽しそうな二人の会話を遮るように、マネージャーのような男性が指示を出した。
「太陽、絶対バレるようなことは——」
「わかってますって。伊東さんは心配性なんだから〜」
「お前なぁ……心配にだってなるだろ。お前はうちの稼ぎ頭。こんなことだって普通はできないような——」
「そういいながらも伊東さん、協力してくれてるし。」
「……太陽がいつも弱音も吐かずに頑張ってるからだ。……俺はお前ももっと年相応にあるべきだと思ってるからな」
眼鏡で表情は隠しているがそれがマネージャーさんの本音であることはわかる。
この人もいつも私を心配してくれる村田さんのように、太陽のことを大切に思っているんだ。
「……ありがとうございますっ。じゃ!文乃ちゃんとデート楽しんできますね〜!」
太陽はそそくさと可愛く変身した文乃の手を握りメイクスタジオを飛び出した。
途中、後ろから「何かあったらすぐ電話しろよー!」と叫ぶ声が聞こえたが太陽が振り向くことはない。
手を引かれながら見た太陽の耳は赤く、本音で褒められることに慣れていない彼なりの照れ隠しなんだと、文乃はこっそり微笑んだ。
カーテンに仕切られ、外界を遮断していたロケバスが動きを止める。
大人たちの動きからバスがどこかに着いたということだけはわかった。
「着いたみたいだね」
太陽はシートベルトを外し、立ち上がる。
それに続くように文乃もシートベルトを外す。
ここがどこなのか気になって太陽に「ここは……?」と太陽に尋ねると、彼はニコニコと楽しそうに「出かけるなら、変装しないとね!」と女の子のように可愛く頬に手を添える。
「……?」
文乃は首を傾げていた。
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女子がこぞって喜びそうな可愛らしいつけ爪も、慣れていない文乃には違和感が凄かった。
今どきの女の子が見たらキラキラと目を輝かせるであろうコスメたちはプロのメイクアップアーティストによってその力を100%発揮する。
流行のネイルとプロによる素晴らしい手腕によって、文乃はトレンドに敏感(に見える)令和ギャルへと変身していた。
「……ま、魔法ですか……!?」
鏡に映る見慣れない自分へ驚きの声を上げる。
魔法を施したメイクアップアーティストの小田さんはうふふふと微笑ましそうだ。
「そんな風にいってもらえると嬉しいわぁ〜」
お姉さんのように話す小田宏樹さんは太陽と仲の深いメイクさんだそうで。
太陽がハリウッドへ行くことになった時もついて行ったくらい。
アメリカのメイクアップアーティストとバチバチに闘いながらも最終的には向こうでの評価も得たというかっこいい人らしい。
逆境でも発揮できる精神力と根性は真似しようとしても出来るものではないだろう。
「わ?!」
メイク室の入り口から聞こえた短い声に振り向くとそこにはモデルのような美少女が立っていた。
綺麗……。
美しさに見惚れていると美少女はじっと文乃を見つめたまま頬を赤らめている。
「……可愛すぎるだろ……」
美少女が小声で呟く。
……ん?
その声に聞き覚えがあった。
もしかして……
「……先輩?!?!」
「ん?あれ、今気づいたの?」
なんとモデルのような美少女は太陽だった。
あまりに美しい変貌に全く男性とは分からない。
特徴的なオレンジ色の髪もオレンジ色寄りの明るい茶髪ロングヘアーに変わり、端正な顔立ちは女性に見えるようにメイクで仕上げられ、全く男性とは分からない。
文乃とお揃いの制服風ファッションも相まって完全に高校生令和ギャルになっていた。
「まぁ、見た目は良くても話したら声が男なんだけど。そこだけ気をつけないとね」
見た目は完璧な女子なのに話すと男子。
い、違和感が。
後ろで声優さんがアテレコでもしてるのかと勘違いしそうだった。
「相変わらず太陽ちゃんはなんでも似合うわぁ〜」
「いやー小田っちのメイクが凄いんだよ」
「んもう!褒め上手!」
ペシペシと太陽を叩く様子に二人の親しさが伝わってくる。
そんな楽しそうな二人の会話を遮るように、マネージャーのような男性が指示を出した。
「太陽、絶対バレるようなことは——」
「わかってますって。伊東さんは心配性なんだから〜」
「お前なぁ……心配にだってなるだろ。お前はうちの稼ぎ頭。こんなことだって普通はできないような——」
「そういいながらも伊東さん、協力してくれてるし。」
「……太陽がいつも弱音も吐かずに頑張ってるからだ。……俺はお前ももっと年相応にあるべきだと思ってるからな」
眼鏡で表情は隠しているがそれがマネージャーさんの本音であることはわかる。
この人もいつも私を心配してくれる村田さんのように、太陽のことを大切に思っているんだ。
「……ありがとうございますっ。じゃ!文乃ちゃんとデート楽しんできますね〜!」
太陽はそそくさと可愛く変身した文乃の手を握りメイクスタジオを飛び出した。
途中、後ろから「何かあったらすぐ電話しろよー!」と叫ぶ声が聞こえたが太陽が振り向くことはない。
手を引かれながら見た太陽の耳は赤く、本音で褒められることに慣れていない彼なりの照れ隠しなんだと、文乃はこっそり微笑んだ。



