ルーチェに恋をして

 *


 安西に案内されたのは門の外から見えた洋館。
 門から続く遊歩道を進み、近づくにつれて実感するお屋敷の壮大さに失神しそうだ。
 
「こちらが本日からお過ごしいただくステラ寮でございます。」
 
「へぇ……寮……寮!?!」
 
「はい。」

 寮というには豪華すぎませんかと叫びたかった。
 そんなことを大声で言えるような度胸は私にはないが。
 
 ……なんだろう。
 
 流れるように無理矢理入れられた高校だが、自分が想像していたものとはあまりにかけ離れていてこれが現実なのかわからなくなってきた。
 
 
 何ステラって。
 ステラ?星?星って何。

 
 頭の中で一人、自問自答を繰り返す。
 考えながら一つの疑問が浮かんだ。
 
 寮ってことは他にも人がいるってことだよね……?
 
 
「あの……他の生徒ってどのくらいいるんですか」
 
「今年度ステラに入学されたのは文乃様を含めて三名、一部不在の上級生も合わせると全体で七名になります。」

 想像以上に少人数。
 
「ということはクラス全員この寮に?」
 
「はい。みなさまご入寮いただいております。」

 
 あぁ……実家暮らし引きこもりから急に他者(同級生)との暮らし……。
 
 お母さん、お父さん。
 
 娘にいきなりハードすぎませんか。

 
 文乃は心の中で思う。
 現在、唯一の避難場所(ひなんばしょ)である安西の背中をトボトボとついて歩くしかなかった。