ルーチェに恋をして

ハプニングから告白に発展し、交際等をすっ飛ばして奏多とのキスを経験してしまった文乃は未体験すぎる現状に頭パンク寸前だった。
けれど仕事の締め切りにも追い詰められていたことで逆に意識を逸らすことができていた。

しかし、彼女はもう一つ重大な出来事を忘れていることに気づく。
十月も下旬に差し掛かり十一月は奏多のコンサートが控えている。

 その前に

 第二回目 中間考査があるのだった。



 ステラ寮談話室は過去一番、人に溢れていた。

今回主役の二人。
京極文乃と安藤蓮は教科書とノートを机に並べ、必死に問題を解き続ける。
彼らの横では奏多・紡・太陽の三人が家庭教師のように赤点ピンチ組の補佐を受け持っていた。

「だーから、ここはこの式を使って」
「こ、こう?」
「ちげぇ」
「奏多、そんな威圧的に言ったら文乃も怖がるよ、もっと優しく」
「っだぁ!めんどくせぇな!紡がやれ!」
「本当にお前は……」
「蓮、だいぶできるようになったじゃないか!これならなんとかなるよ!」
「本当?頑張る……!」

集まることになったきっかけは蓮くんと中間考査について話していた時、今回の考査は何がなんでも合格しないといけなかった文乃は蓮から勉強会に誘われ「いいの?!」と大喜びしていた。
話を聞いた太陽が「じゃあ俺が教えてあげるよ!」と仲間入り。

その話を奏多と紡にも伝えると「はぁ?!俺も勉強くらい教えられるわ!」「落ちたらコンサートの日と強制授業の日被っちゃうし、僕も手伝うよ」と手伝いをかって出てくれたのだ。

みんなが集まりステラ寮一年・二年合同テスト勉強会が開催。
本当にみんなには頭があがらない。


「文乃、聞いてんのか?」
「あ、ごめん」
「ったく」

他所ごとを考えて話を聞いていなかった文乃に奏多はため息を吐く。
奏多の指導は少し威圧的で怖いが、彼なりに必死に教えようとしてくれているのがよくわかる。
それに奏多の説明は威圧的なだけでとてもわかりやすい。