ルーチェに恋をして

名残惜しそうに、奏多の唇が文乃から離れる。
長めのキスに「はぁ……はぁ……」と文乃は酸欠になりかけていた。

「お前ずっと息、我慢してたのかよ?!」 
「だ、だって……いつ息したらいいのか……わからなくて……」

息を吸いながら奏多に答えると「はぁ?」と言いながらもあははと笑う様子にまた胸が熱くなった。
 
 変……

奏多を見ると心臓が激しく鳴って、ギュッと掴まれるみたい。
落ち着かない。
これ以上見つめたら心臓がどうにかなってしまいそうで奏多から目をそらす。
それに気づいた奏多はムッと眉間にしわを寄せて無理やり文乃の視線を自分に戻させた。

「なんで逸らすんだよ」
「だ、だって……なんか落ち着かないんだもん!?」

声が上擦(うわず)って変になってしまう。
あわわわわと顔を赤らめて恥ずかしがっているとイタズラな笑顔の奏多がニヤニヤとまた文乃に近付いた。


「もう一回、してやろうか?」

「はぇ?!」

限界だった。
これ以上心臓が速くなったら死んでしまいそうだ。

パニックになっている姿は面白いのか、奏多は「あははは!」と声をあげて笑う。
こっちは真剣に生命の危機を感じているのに。
少しだけ気に食わなくて頬を膨らませムッと口元をへの字に曲げた。

初めて見る文乃の不服そうな表情に奏多は優しい視線を向け、彼女をベッドから抱き起こす。

「俺わかったわ。」

文乃をベッドに座らせると隣に座って吹っ切れたように話し始める奏多。

「なんであんなにイライラしたのか、今すごい気分がいいのか」


「俺、文乃が好きだ」


淡々と話す奏多の言葉に思考が止まる。
……奏多が?……私を?


「……好き?」
「ああ、好きだ。」

 好き……好き?


「えぇぇぇぇぇっぇ?!?!」