感じたことのない胸の痛みに首を傾げ、理由を考える。
ドキッ……いや、チク?
正確にどっちかはよくわからなかった。
でも私は違和感の名前を知っている。
夏休みに親から送られてきたスマートウィッチについていた心拍計。
別に頻繁に連絡を取る相手もいないので必要ないかなと思いつつも、村田さんからの連絡にすぐ気付けるという利点と好奇心からつけて歩いていた。
その時、一回だけ表示された通知。
ふ、不整脈?!?!
「い、いま心臓が……?!び、病院行ったほうがいいのかな?!」
ただの誤作動だと思っていた、だから気にしていなかったのに。
まさか本当に不整脈だったなんて……。
怖くなって青ざめた顔で奏多の襟元にしがみつく。
「は?」と奏多は意味もわからない様子で眉間に皺を寄せるだけだったけれど。
「大丈夫?!」
必死に違和感について奏多へ説明していると、その後ろから溌剌とした明るい声でこちらを心配する言葉が飛んでくる。
聞き慣れない声に体を左に逸らして奏多の後ろを覗き込むとオレンジ色の髪に黒縁の眼鏡をかけた、人懐っこそうな男子生徒が屋敷の入り口の方からこちらに向かって走ってきている。
「キミ、大丈夫?貧血かな?」
男子生徒は近くにくるとしゃがんで文乃の顔をじっと覗き込む。
彼の芸能人のようなとんでもないオーラに加え、顔の造形の美しさから「うっ」と思わず声が漏れる。
あまりの眩しさに文乃は思わず目を閉じた。
ヒッ……
眩しすぎて太陽直視しているような気分だった。
目を閉じ続けているのも申し訳なくて、頑張って開けた薄目で男子生徒を見る。
薄目のせいでぼやけているがステラの制服を着ていることはわかった。
ということは……。
目を擦って一生懸命太陽さん(仮)を見るために目を開けて顔を上げた。
「あ、あの……先輩です、よね?私、今年入学した一年の京極文乃で……」
「後輩ちゃんだったのかぁ!俺は二年の夏目——」
先輩と思われるその人は文乃をぽーっと見つめたまま、固まっていた。
変な様子に文乃は心配になって「先輩?」と声をかけながら彼の服をトントンと優しく叩く。
「ルーチェ……」
「へ?」
先輩は文乃を見つめ、ポツリと呟いた。
言葉の意味を聞こうと口を開きかけた時にはもう、先輩には手を握り離しめられていて彼はワクワクと嬉しそうに言った。
「見つけた!僕のルーチェ!」
………………。
「はい?」
その時、先輩を見つめる隣の奏多の顔が過去一番、怖かった。
ドキッ……いや、チク?
正確にどっちかはよくわからなかった。
でも私は違和感の名前を知っている。
夏休みに親から送られてきたスマートウィッチについていた心拍計。
別に頻繁に連絡を取る相手もいないので必要ないかなと思いつつも、村田さんからの連絡にすぐ気付けるという利点と好奇心からつけて歩いていた。
その時、一回だけ表示された通知。
ふ、不整脈?!?!
「い、いま心臓が……?!び、病院行ったほうがいいのかな?!」
ただの誤作動だと思っていた、だから気にしていなかったのに。
まさか本当に不整脈だったなんて……。
怖くなって青ざめた顔で奏多の襟元にしがみつく。
「は?」と奏多は意味もわからない様子で眉間に皺を寄せるだけだったけれど。
「大丈夫?!」
必死に違和感について奏多へ説明していると、その後ろから溌剌とした明るい声でこちらを心配する言葉が飛んでくる。
聞き慣れない声に体を左に逸らして奏多の後ろを覗き込むとオレンジ色の髪に黒縁の眼鏡をかけた、人懐っこそうな男子生徒が屋敷の入り口の方からこちらに向かって走ってきている。
「キミ、大丈夫?貧血かな?」
男子生徒は近くにくるとしゃがんで文乃の顔をじっと覗き込む。
彼の芸能人のようなとんでもないオーラに加え、顔の造形の美しさから「うっ」と思わず声が漏れる。
あまりの眩しさに文乃は思わず目を閉じた。
ヒッ……
眩しすぎて太陽直視しているような気分だった。
目を閉じ続けているのも申し訳なくて、頑張って開けた薄目で男子生徒を見る。
薄目のせいでぼやけているがステラの制服を着ていることはわかった。
ということは……。
目を擦って一生懸命太陽さん(仮)を見るために目を開けて顔を上げた。
「あ、あの……先輩です、よね?私、今年入学した一年の京極文乃で……」
「後輩ちゃんだったのかぁ!俺は二年の夏目——」
先輩と思われるその人は文乃をぽーっと見つめたまま、固まっていた。
変な様子に文乃は心配になって「先輩?」と声をかけながら彼の服をトントンと優しく叩く。
「ルーチェ……」
「へ?」
先輩は文乃を見つめ、ポツリと呟いた。
言葉の意味を聞こうと口を開きかけた時にはもう、先輩には手を握り離しめられていて彼はワクワクと嬉しそうに言った。
「見つけた!僕のルーチェ!」
………………。
「はい?」
その時、先輩を見つめる隣の奏多の顔が過去一番、怖かった。



