結局、訂正できることなくその場は解散となってしまった。
談話室を出て大階段をおぼつかない足取りで上がっていく。
奏多は早々に自室へと戻ってしまった。
紡は「仕方ないよ、人に知られるのは最小限の方がいい。」と優しくフォローしてくれたけれど、それでも奏多には話してもよかったんじゃないかとまた考えてしまい、胸のモヤモヤは消えない。
自室に帰ってからも奏多の悲しそうな顔が頭から離れなくて。
……自分の選択が正しかったと思えなかった。
なんで、言えなかったんだろう。
奏多を信用していないわけではないのに。
——『ほんとうに?』
自室で一人、この空間には文乃以外誰もいない。
文乃の心に直接響く少女の声は子供が親に聞くように、純粋に彼女に問いかける。
『本当に?……本当に信用してるって思ってる?』
少女からのあどけない声での問いかけに文乃の喉が締まった。
締まった喉を無理やりこじ開けるように言葉を返す。
「お、思ってるよ!だから、今こうやって悩んで……」
『でもほんとうに信用してるなら、悩まずに言えたんじゃないの?』
どうしてそんな意地悪をいうのと言ってやりたくなった。
あまりに容赦なく聞いてくる少女の声に苛立ちを覚えてしまって。
……だって図星だったから。
私は心のどこかでまだ、人を疑っている。
裏切られるのが怖いと、信じることを恐れている。
『……怖いの?』
少女は文乃の心を見透かすように問いかけた。
「……怖いよ。人は常に変わる生き物だもの……今日、仲が良くても、明日はわからない。何かあれば簡単に友達だって裏切る……何かあったらどうするの……村田さんにだって迷惑が——」
『でも、もう知ってるでしょ?』
「……。」
『常に変わる生き物だから、昨日まで仲が悪くても、また仲良くなることもできるって』
談話室を出て大階段をおぼつかない足取りで上がっていく。
奏多は早々に自室へと戻ってしまった。
紡は「仕方ないよ、人に知られるのは最小限の方がいい。」と優しくフォローしてくれたけれど、それでも奏多には話してもよかったんじゃないかとまた考えてしまい、胸のモヤモヤは消えない。
自室に帰ってからも奏多の悲しそうな顔が頭から離れなくて。
……自分の選択が正しかったと思えなかった。
なんで、言えなかったんだろう。
奏多を信用していないわけではないのに。
——『ほんとうに?』
自室で一人、この空間には文乃以外誰もいない。
文乃の心に直接響く少女の声は子供が親に聞くように、純粋に彼女に問いかける。
『本当に?……本当に信用してるって思ってる?』
少女からのあどけない声での問いかけに文乃の喉が締まった。
締まった喉を無理やりこじ開けるように言葉を返す。
「お、思ってるよ!だから、今こうやって悩んで……」
『でもほんとうに信用してるなら、悩まずに言えたんじゃないの?』
どうしてそんな意地悪をいうのと言ってやりたくなった。
あまりに容赦なく聞いてくる少女の声に苛立ちを覚えてしまって。
……だって図星だったから。
私は心のどこかでまだ、人を疑っている。
裏切られるのが怖いと、信じることを恐れている。
『……怖いの?』
少女は文乃の心を見透かすように問いかけた。
「……怖いよ。人は常に変わる生き物だもの……今日、仲が良くても、明日はわからない。何かあれば簡単に友達だって裏切る……何かあったらどうするの……村田さんにだって迷惑が——」
『でも、もう知ってるでしょ?』
「……。」
『常に変わる生き物だから、昨日まで仲が悪くても、また仲良くなることもできるって』



