村田にバスの説明を受けて頷く。
「じゃあ頑張ってね文乃。連絡には絶対出なさい!あと新作の執筆もね」
「うっ……はい」
村田はそのまま手を振って正面入り口へと帰っていった。
文乃は言われた通りバスを待つ。
ベンチは無く、列の整列をうながす白線と停留所の看板だけが立ち位置を教えてくれる。
バスの本数はかなり多く、10分おきで回ってくるみたいだった。
「あ、きた……」
車内にはまばらに生徒が乗っている程度。
えっと……学生証がお金の代わりなんだっけ……。
開いたドアからバスに乗り込み、学生証を端末にかざすとそのまま座れそうな座席を探す。
どこに座れば……。
悩んでいると車内の生徒たちの視線が一気に自分に向いた。
圧に驚き、小さく悲鳴をあげて空いていた席に逃げ込む。
肩を縮めて隠れていると、ヒソヒソと配慮しているようで丸聞こえな話が耳に届いた。
「ねぇ……あの星の制服……ステラじゃない?」
「え!あのエリートと金持ちしかいないステラ!?」
「だってあの制服着てるってことは何かしらの天才ってことでしょ?え、なんだろ。あとで話しかけてみる?」
ひぃぃぃぃぃぃ
勘弁してください……あなたたちみたいな輝く陽キャに声なんてかけられたら塵とかして空にさよならしてしまいますぅぅぅ……。
そんなことを心の中で思いながら気配を消した。
少女たちは突然文乃の影が消えたことで「え!?あれ?!」「さっきまで人居たよね?!」と慌てふためく。
その後降りるまで、文乃が気配を戻すことはなかった。



